なぜ経済予測は間違えるのか? デイヴィッド・オレル著/松浦俊輔訳

なぜ経済予測は間違えるのか? デイヴィッド・オレル著/松浦俊輔訳

経済学は予測の学問ではない。だが、金融危機やその後の世界不況を予測できなかったことから、期待はずれとの声をしばしば聞く。しかも今回は、経済的リスクが統計学を用いて管理できなかったうえに、その数理モデルが危機を引き起こすのを助長していた。それだけ、学問としての科学性が問われることなった。

著者は、経済学は人を幸福にする目的を外れて、今や不公平を助長し、経済そのものを不安定化させ、その持続さえ不可能にしていると考える。しかし、現在の主流派経済学には、そのいずれの問題点も処理する「手段がない」という。

もともと「経済学の規範となっている数学・物理学・生物学の理論モデル」は、一時代前のものに依拠し、経済学を生き返らせるには新しい思想が必要と主張する。たとえば「宇宙の法則」から格差を、「蒸気機関のしくみ」から消費を解明してみせる。

気鋭の数学者による知的刺激に満ちあふれた書。

河出書房新社 2520円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本の分岐点 未来への対話
  • インフレが日本を救う
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT