なぜ経済予測は間違えるのか? デイヴィッド・オレル著/松浦俊輔訳

なぜ経済予測は間違えるのか? デイヴィッド・オレル著/松浦俊輔訳

経済学は予測の学問ではない。だが、金融危機やその後の世界不況を予測できなかったことから、期待はずれとの声をしばしば聞く。しかも今回は、経済的リスクが統計学を用いて管理できなかったうえに、その数理モデルが危機を引き起こすのを助長していた。それだけ、学問としての科学性が問われることなった。

著者は、経済学は人を幸福にする目的を外れて、今や不公平を助長し、経済そのものを不安定化させ、その持続さえ不可能にしていると考える。しかし、現在の主流派経済学には、そのいずれの問題点も処理する「手段がない」という。

もともと「経済学の規範となっている数学・物理学・生物学の理論モデル」は、一時代前のものに依拠し、経済学を生き返らせるには新しい思想が必要と主張する。たとえば「宇宙の法則」から格差を、「蒸気機関のしくみ」から消費を解明してみせる。

気鋭の数学者による知的刺激に満ちあふれた書。

河出書房新社 2520円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • 「コミュ力」は鍛えられる!
  • 岐路に立つ日本の財政
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
集中連載「日立 踊り場の先へ」<br>ガバナンス問われる英国原発

日立製作所が着々と進めてきた英国の原発計画。来年にはすべての認可を得て、進むか退くかの最終判断を迫られる。経済合理性は疑問だが、会長案件という思惑も絡む。今の日立はどう判断するか。まもなくガバナンス改革の真価が問われる。