──2つの事業売却やジョブ型雇用の導入など、どうして竹内さんは激変ともいえる改革を行うことができたのでしょうか。
私とそれ以前の経営の一番の違いは、僕が言うのもなんだが「やるかやらないか」だ。マジでやるかやらないか。その前提として経営者自身がコミットしているかどうか。結構単純だと思う。
オリンパスにはポテンシャルがある。内視鏡事業は、数千億円という限られた市場とはいえ、その中の7割の顧客のサポートを世界中で何十年も続けている。顧客に貢献し続けていて頼られていないと、実績は上がらない。そんな事業は希有だと思う。
そういうことができる力を持つ一方、(会社自体は)縦割りでガバナンスが弱く、無駄が多い。社員のマインドや仕事の仕方を見ていて、このままじゃ将来生き残っていけないだろうなという感覚が徐々に強くなっていた。
──会社がそうなっていた原因は?
一言で言うのは難しい、歴史みたいなものが全部そうなっている。
今は他社との協業は当たり前だが、オリンパスはずっと自前主義でやってきた。協業しろといったところで急にはできない。人材でいうと、「私は何のプロフェッショナルなのか」という意識が薄い。それでは世界で勝てない。
だから社長に就任する以前から、改革するフェーズが絶対必要だとの思いを持っていた。うちはメーカーなので価値観が固定的だ。そこをガサガサと揺すったのがこの4年間だった。
4年でできて、結構早かったと思う一方、4年かかってもこれぐらいしかできないんだなっていう思いもある。100年企業をなめたらあかんというか。
100年間の土台を総とっかえ
──改革に当たって意識したことは何ですか。
100年間の土台を総とっかえすることだ。経営がそういうリーダーシップを取らないと、ずっと同じ環境の中にいて、日々忙しい社員は気がつかない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら