複雑ダイヤ「新横浜線」ちょっと便利な乗り継ぎ術 目黒へ5分短縮、大井町・新横浜間25分で行く技

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これまで便利な使い方と利便性向上を中心に触れてきたが、新横浜駅での乗り継ぎで不便なケースがある。同駅は2面3線の構造で、中央の線路1本は両側にホーム(2・3番線)がある形となっている。相鉄線方面行きの1番線、東急線方面行きの4番線と対面で乗り換えられる構造だが、そうならない場合がある。

新横浜駅のホーム
「2面3線」の新横浜駅。手前が1・2番線のホームで、中央に1本の線路をはさんで奥が3・4番線だ(編集部撮影)

日吉5時52分発海老名行きを逃すと、土休日ダイヤの場合、その後の相鉄直通は6時31分発湘南台行きまで39分も間隔が開く。5時57分発新横浜行きに乗れば新横浜で5分前に出た海老名行きに乗り継げるが、次の相鉄直通までは34分待ちとなる。

だが、実はその間に6時12分発の新横浜行きがある。筆者は開業日、この列車に乗車した。新横浜駅では中央の線路、2・3番線に3分ほどの遅れ(定刻は6時18分)で到着。隣の4番線には当駅始発の6時21分発海老名行きが停まっていた。本来4番線は東急線方面行きのホームだが、ここから相鉄線方面へ向かう列車もある。

4番線と3番線は同じホームなので直接乗り継げるものと思っていたが、到着後、2番線側のドアは開いても3番線側はいつまで経っても開かない。その間に海老名行きは発車してしまった。両側のドアが開いていれば乗り換えられただろうし、これだと定刻着でも3分で階段を上り降りして乗り換えることになる。

3月26日に日吉駅のポイント故障で東横線直通を取りやめた際も、4番線から相鉄線方面へ折り返す列車の設定があった。このときも同様に、新横浜着の列車は2番線側のドアを開けて車内から出るよう促され、その後ドアを閉めてから3番線側を開ける対応であった。3番線側が先に開けば直接乗り換えられたので、これは顧客体験的にはよくないことだ。

ダイヤ乱れ時は日吉駅がネック?

開業日の3月18日は、日中〜夕方は30分ほどの遅れが出た時間帯があった。日吉駅では上り列車が詰まってしまい、同駅の引き上げ線で待機している同駅始発列車を出せず、このため引き上げ線に同駅止まりの列車が入れなくなり、元住吉―日吉間の下り線も渋滞する事態となっていた。

こういうときのために、目黒線の引き上げ線を複線のまま残し、東横線横浜方につなげて目黒線の日吉止まりの一部を菊名へ延長するといった取り組みがあってもよかったのではないか。せっかく東横線〜新横浜線系統と引上げ線方面は同時出入線できるのに惜しいと感じる。相互直通と線路配線の関係でいえば、東京メトロ副都心線はダイヤ乱れの対策で開業後8年もかけて小竹向原―千川間に連絡線を追加した。後からこうなることを考えて配線を考慮してもよかったのではないか。

日吉駅配線図
日吉駅の配線図(筆者作成)

いい面も悪い面も紹介してきたが、総じて便利になったのは間違いない新横浜線の開通。東横線・目黒線内の途中駅利用者にもメリットが多い一方で、ダイヤ乱れ時のデメリットも極力少なくできている点で安心だ。あとは新横浜線自体の運用課題を解決したうえで、さらなる増発などによって利便性に磨きがかかっていくことを期待したい。

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北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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