「育休中リスキリング」と真逆の発想した人の選択 なぜ男性育休中に「地方にプチ移住」したのか

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プチ移住中の長野の家の近くの景色。普段住んでいるのが住宅地の集合住宅なので、隣家との距離があったプチ移住中は、双子がどんなに泣き叫んでも大丈夫、ということで育児ストレスがかなり少なかったそう。(写真提供・赤坂剛史さん)

このご家族、育休後には石川県加賀市にプチ移住(https://kaga-teiju.jp/support/house/)したのですが、そのときの縁がつながり、石川県能美市では、このご家族の体験を参考にした育休中の移住体験&ツアー(https://smout.jp/plans/9216)がつくられたそう。共に、移住検討者もしくは移住関係者が利用できる制度です。あらためて調べてみると、全国で移住促進や空き家活用などで、無料または激安の賃貸物件がたくさんあることに驚きました。

ちなみに、日本の男性育休の制度内容は、実は世界でもトップクラスです。長期間取得できるし、長期間育休手当てもでます。そして育休制度は会社独自ではなく、国の制度です。その権利を十分に生かした、こんな育休の過ごし方もあるということは、もっと知られてもいいなと思いました。

友紀さんは「経済的な面で最初は心配してたけど、結果的に行ってよかった」と言います。そして、剛史さんが勤める金沢工業大学では、剛史さんのあとに3人の男性が育休を取得したそう。剛史さんがファーストペンギンになったわけです。

今回のつかれないヒント

そして、このプチ移住が大成功したのは、夫の剛史さんが「育児のために情報収集しよう」「ちゃんと育児をして夫婦仲を壊さないようにしよう」と妻が妊娠中に決意したところからスタートしたのが何よりも大きかったと思うのです。

もちろん、プチ移住は現実的に無理、という家庭も多いと思います。ですが、プチ移住までしなくても、「より育児しやすくストレスが少ない環境で育休期間を過ごす」というのは今回の大事なポイントだと思いました。

最近、育休中のリスキリングが話題になりましたが、リスキリングはもっと長期の育休期間があり、体力がかなりある人だけが実現できること。たいていの人は育児だけでいっぱいいっぱいです。

だからまずはリスキリングよりも大事なのは、育児期間として平和に親子で過ごせること。しっかり子どもに向き合った充実した育休期間は、今後の育児生活において家族のチームワークの土台にもなることでしょう。

いうわけで、今回のつかれないヒントは……

夫婦で育休を取得予定だけど、どうなるか不安…。

思いきってプチ移住もアリ。
ストレスなく育児できる環境、
夫婦が気持ちよく今後の生活を相談できる環境で、
育休をスタートしてみては?

さて、次回は、双子ならではの苦労と、これから育児する人が言われがちな「大変だよ!」の言葉について深掘りしてみます。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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