専門的な技能や能力を持つ高度人材の獲得競争が、世界規模で起こっている。日本でも福田康夫政権時代の「骨太の方針2008」以来、受け入れ拡大と優遇策を推進している。本稿では、高度人材を引きつける政策に効果があるのか、そして高度人材が受け入れ国に利益をもたらすのかについて、現状でわかっていることを紹介する。
高度外国人材への優遇措置にはいろいろな種類がある。技能や能力の高度さをポイント換算し在留資格の審査に使うポイント制は、今では多くの国で用いられている。また高所得の移民への税制優遇措置は、とくに北欧で盛んだ。
優遇措置を設ける理念もさまざまだろう。例えば優れた大学教員を誘致できれば、受け入れ国の研究者によい影響を与え、その国の研究水準を上げられるかもしれない。あるいは学生が最新の学問的成果を学ぶことで、国全体の人材の質を高める効果があるかもしれない。明治の文明開化において、お雇い外国人の貢献が評価されたことが思い浮かぶ。
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