一世を風靡した「SPAC」、明らかになった問題点 新興企業の資金調達の革新を続けることが必要だ

✎ 1〜 ✎ 204 ✎ 205 ✎ 206 ✎ 最新
拡大
縮小
特別買収目的会社(SPAC)のイメージ図
(写真:ilixe48/PIXTA)

もし「どこに投資するかは決めていないが、私を信じてあなたのお金を私に預けなさい」と言われたら、多くの人はうさんくさく感じるに違いない。しかし、そんな証券が米国などの市場で取引されている。特別買収目的会社(SPAC)の証券である。

SPACの仕組みはこうだ。まず、設立者(スポンサー)がSPACを上場させ、投資家から資金を集める。この時点では、資金をどこに投資するかは決まっていない。次にスポンサーは株式市場に上場したい未上場の事業会社を探す。合意できればSPACがその会社を買収、合併する。その際、事業会社は存続し、SPACは消滅する。結果的に事業会社が上場したことになり、投資家はその会社の株主になる。

次ページSPACの2つの問題点
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内