メタ認知能力を高める子どもの教育方法とは?

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・自分に適した目標を設定し、高い意欲で取り組むことができる
自分が主体となって自分に適した目標を設定し、「目標に向かって学習を積み重ねていけば、⚪⚪⚪になる」など有効な方法で動機づけを行い、意欲的に取り組むことができます。

・ 周りの人たちとコミュニケーションを取りながら発想を活性化できる
自分と周りの人たちとの考えの違いに気づくことができ、円滑にコミュニケーションを取りながら知的な刺激を受け、発想を活性化することができます。

一方で、メタ認知能力を高めすぎることで、
・ 相手の気持ちを考慮することで流暢に話せなくなり、返答が遅くなってしまう。
・ 周りの空気を読みすぎて自分のアイデアや主張を押し通せなくなってしまう。
などというケースもあります。

メタ認知が低い人の特徴

メタ認知能力が低い人は、物事を客観的に捉える力に乏しく自分の感情に左右されてしまいがち。

気持ちが落ち込んでいたり、心配なことがあったりすると、それらのことばかりを考えてしまい、一面的な判断になってしまったり、思考の柔軟性が低下しやすくなります。「どうせうまくいかないだろう」などと決めつけ、行動力に欠けるといった特徴も見られます。

メタ認知のトレーニング方法

メタ認知能力を鍛えるためには、日頃から「自分は何をしていて、何を考えているのか」と、自分の行動や思考をモニタリングすることに加え、最初の考えに固執せず別の考え方を模索する習慣をつけることが大切です。

つねに1人で考えるよりも、他者とのやり取りにより脳の働きを活性化することができます。必要に応じて他者の意見を聞き、個人思考と協働思考をバランスよく使い分けたいものです。

また、何かを学習する場合は、

・人間の記憶は眠ることで定着するため、寝る直前を学習時間に充て睡眠時間はしっかり確保
・学習スペースを片付けるなど“環境”を整える
・「覚えたいものを書いた紙を目につく場所に貼る」など、学びを生活に埋め込む

などにより、メタ認知を活用して効率的に学ぶことができます。

メタ認知と教育

メタ認知は「新学習指導要領」でも重要視されており、教育現場でもメタ認知を活用した授業が求められています。

・お互いに教え合う「相互教授」を活用し、子どもたち一人ひとりの理解を確かなものにする
・子どもが最初に自分で考え抜いてから、多様な考えに触れる機会を意識して設ける
・討論の場を通じて、「なぜこの意見に賛成なのか」「なぜこの意見に反対なのか」といった根拠まで考えさせる
・何かに失敗したら、「どこに問題があるか」「どう改善したらよいか」を子どもたちに考えてもらう

などの方法を取り入れ、子どもたちの学力や学習意欲を高めていきたいものです。

参考記事
今さら聞けない「メタ認知」、学びに向かう力を育む授業4つのコツとは?
学習指導要領改訂と3観点の整備で重視したい「自らの学習を調整」する力

メタ認知と仕事

メタ認知能力は、仕事におけるさまざまな場面においても生かすことができます。

自分の現状を振り返り、どこを改善すればよいか理解し、それに向かって踏み出せるようになることで、職場でのコミュニケーションが円滑に進み、高いレベルでのプロジェクトの遂行につながることが多いようです。

メタ認知の診断

メタ認知の診断は、メタ認知を測る診断テストを受けることで可能になります。

2004年に英国のマンチェスター大学が作成した5項目全30問のメタ認知診断テスト「MCQ-30」が知られていますが、ほかにもさまざまな機関が同様の診断テストを開発し、メタ認知の研究を行っています。

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