なぜ受験生は「夜型になるのか」に納得の学術的根拠、最適な睡眠時間は何時間か 寝だめは不可能、入試1週間前には「朝型」に
朝型に変えられるのか?
また、夜更かしの状態を、試験の何日前から朝型に変えたらよいかという質問も、受験生からよく聞かれますが、そもそも、夜更かしの習慣自体がよくないのです。普段から夜更かしはしないで毎日同じ時間帯に眠るようにすることが大事です。
しかしながら、すでに夜更かしの習慣になってしまっている方に今から言っても遅いですよね。夜更かしの習慣を早起きの習慣に直す、つまり早寝早起きの方向に変化させるのは、非常に難しいということは最初にお話ししました。だから、まず、すごく難しいということを知ってください。それでも、不可能というわけではありません。例えば、毎日1時間早寝早起きにしていくのは大変かもしれませんが、30分くらいだったらもう少し楽だと思います。
そして、ではどのくらいで習慣を変えられるかですが、時差ボケが治るのにどのくらいかかるかという事を考えるとよいと思います。もちろん時差の程度にも寄りますが、まあ、大体1週間はかかると思ってください。それでもベストパフォーマンスを発揮できるかどうかは保証できません。夜中の受験はありえないことを考えて、なるべく早い段階で早寝早起きのパターンに変化させるようにしてください。
引用文献
Wolfson, A.R. & Carskadon, M.A. Sleep schedules and daytime functioning in adolescents. Child Development, 1998, 69: 875-887.
Fukuda, K. & Ishihara, K. Evening naps and delayed night-time sleep schedule typically found in Japanese adolescents is closely related with their daytime malfunctioning. Sleep and Biological Rhythms, 2004, 2: S45-S46.
(注記のない写真:Fast&Slow / PIXTA)
執筆:江戸川大学睡眠研究所所長 福田一彦
東洋経済education × ICT編集部
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