茨城・鹿島工場の操業停止が長期化、過酸化水素や合成樹脂の供給に不安 三菱ガス化学【震災関連速報】
三菱ガス化学は、東日本大震災の直後から続く鹿島工場(茨城県神栖市東和田)の操業停止が長引きそうだ。鹿島工場は、紙パルプの漂白や工業用薬品などに使う過酸化水素の主力生産拠点。復旧に手間取れば、関連産業へ影響が及ぶ可能性もある。
鹿島工場は、震災によって設備や建物の一部が損壊。加えて、近隣から供給を受ける工業用水や蒸気の供給が止まる事態も発生しているもようで、18日午前の時点で復旧のメドが立っていない。
三菱ガス化学は鹿島工場で過酸化水素のほか、合成樹脂のポリカーボネートなども生産している。過酸化水素は国内では鹿島工場のほか、三重・四日市や北海道でもつくっているが、鹿島はこの中で最も生産能力が大きいもようだ。
また懸念されるのは、三菱ガス化学が原料の供給を受けている三菱化学の鹿島事業所(茨城県神栖市)が、稼働再開に時間を要する見通しにあることだ。三菱ガス化学の鹿島工場は、三菱化学の鹿島事業所を軸とする石油化学コンビナートの中にあり、コンビナートに属する20数社の原料は三菱化学が供給している。
しかし、三菱化学の鹿島事業所は、東日本巨大地震の影響を受けて操業を停止。稼働再開の見込みが立っていない。三菱化学によれば、桟橋などのインフラに影響を受けており、短期で復旧するのは困難だという。
三菱化学の親会社である三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は17日、「東洋経済オンライン」の取材に対し、「まだ、われわれも詳しい事態を把握していないぐらい。1週間やそこらで復旧するとの見方は楽観的」との見解を明らかにしている。
また、三菱ガス化学の子会社で、半導体材料を生産するエレクトロテクノ(福島県西白河郡西郷村米字椙山)も大震災直後から操業を止めているが、すでに電気・ガスなどのインフラは復旧した。三菱ガス化学は、18日中にエレクトロテクノの復旧の見通しを公表する見込みだ。
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
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