管理費UPは不可避?マンション住民襲う値上げ 駐車場の契約数減、管理委託費アップも影響

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【要因2】電気料金の高騰

日本は発電電力量の多くを火力に頼っている。その火力発電の燃料となる石炭や天然ガスはロシアのウクライナ侵攻など世界情勢の影響で高騰が続いており、電気料金も高止まり状況だ。このような状況下で、共用部分で動力が多いマンションは特に影響が大きい。

例えばエレベーターが複数台稼働している、機械式駐車場を数十台所持する、共用部にエアコンが数台設置してある……などのマンションでは、電気料金値上げがさらなる支出増につながってしまう。

【要因3】人件費高騰などによる管理委託費の値上げ

最低賃金の引き上げや人材不足による採用難などを背景に、人件費の高騰も続いている。管理員や清掃スタッフなどの業務費に関しても同様に人件費が上昇の一途をたどり、管理委託費が高騰、負担増につながる深刻な状況を迎えているのである。

値上げを回避する対策とは?

さまざまな物の価格が上昇する昨今、管理費だけが値上げを回避するのは簡単なことではないだろう。しかし家計がピンチにある中、これ以上の支出増はできれば避けたいところだ。上記3つの赤字要因を解消すべく、取るべき対策にはどんなものがあるのだろうか。

【要因1】駐車場契約減少については、空いている駐車場を外部に貸し出す「外部貸し」や利用者の確保を業者に一任する「サブリース」などの対策が考えられる。実際に駐車場の空き対策としてすでに取り組んでいる管理組合も多い。マンション居住者以外に広く契約者を募るという点では、一時的な収入につながる利点はあるだろう。

ただ、車離れが今後も加速していくことを考えると、一時的な対策に過ぎない。例えば機械式駐車場では機械の一部を減築し、平置きにするなどして動力となる電気代、メンテナンス代、長期的な維持修繕費の削減を図るなども並行して行っていく必要があるだろう。機械式駐車場減築は一例だが、共用設備としての駐車場のあり方を再考しなければ根本的な解決は難しい(駐車場の減築は、付置義務台数などの確認が必要)。

【要因2】電気料金高騰では、使用電力の瞬時値・最大需要電力であるデマンド値を意識して使用することをおすすめする。

業務用や高圧電力の電気料金は、30分間に消費された電力の平均値をもとに料金を決めるデマンド契約となっている。30分間単位の平均値が最も大きかった値が月間の最大需要電力(デマンド)とカウントされる。

さらには過去1年間(その月と前11カ月)の最大需要電力(デマンド値)のうち、最大値が基本料金計算のもとになる。要するに一度でも大きなデマンド値を出せば、それが年間契約料金のベースとなってしまう。

各階にある共用部のエアコンを一斉につけるのでなく、フロアごとにつけていくなどの工夫により、電気使用量が突出して大きくならないような配慮が必要だ。デマンドコントロールが契約電力を抑えるカギになる。

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