100カ国超の「自宅窓の風景」写真が話題沸騰の訳 日常風景と添えられた奥深い人生ストーリー
2020年3月。新型コロナウイルスが地球全体で爆発的に広がり、各国で隔離政策やロックダウンが始まりました。パニックの中で人々は家の中に閉じ込められ、誰もが初めて体験する状況や心情を、家族や友達とすら共有することができないまま、孤立することになりました。
「世界中の人が、何週間も家の中に閉じ込められ、窓からたったひとつの景色を見るしかなくなってしまった。今、地球の裏側の窓から見えている景色はどんなだろう? もし、インターネットユーザーに、自分の窓からの眺めを写真に撮って、同じく孤立した人々と共有しませんか、と提案したらどうだろう? 家にいながら安全に、世界中の人とコミュニケーションをとることができれば、孤独と孤立から逃れることができるかもしれない……」
世界の人々と共有するというシンプルな趣旨
そう考えたベルギー人のグラフィックデザイナー、バーバラ・デュリオさんは、2020年3月22日、「VIEW FROM MY WINDOW」(VFMW)グループを立ち上げました。自宅の窓からの風景を写した写真1枚に、状況を説明するコメントを添えて投稿して、世界中の人々と共有するというシンプルな趣旨をかかげ、まずバーバラさん自身が、オランダ・アムステルダムのホームオフィスの窓辺を撮影し、投稿。
コロナ禍の不安の中、「VFMW」の存在は、趣旨に共感する人々に瞬く間にシェアされ、ヨーロッパやアメリカを中心に1週間で5万人、4月15日には10万人が参加。今では世界100カ国以上から312万人を超える人々が、日々、オンラインで窓からの風景をシェアし、リアルタイムで温かいコメントを送り合う、歴史的にも類を見ないコミュニティーに成長しました。
これらの投稿を一冊の本にまとめた『世界の家の窓から 77ヵ国201人の人生ストーリー』より抜粋のうえ、アイスランド、インドネシア、ポーランド、スウェーデン、ベルギーの家の窓の風景をお届けします。
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