Twitter教員アカ座談会、「長時間働くのがよい先生」解けない呪縛に危機感 「学校現場のリアル」ブラックな実態が明らかに

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いじめ問題をはじめとする生徒指導や保護者対応、部活動指導、さらには膨大な事務作業――。大量の仕事に追われる教員は疲弊し、学校のブラックな実態が社会問題化する中で学生の教職志望者も減少し、教員採用試験の倍率は低迷し続けている。国も学校改革の方針・方策を打ち出してはいるものの、長時間労働をよしとする学校・教員文化の壁に阻まれ改革はなかなか進まない。そんな学校の理不尽さに直面する先生たちの声はSNS上にもあふれている。Twitterで多くのフォロワーを集めている中学校の先生・元先生の3人に学校の現状を語ってもらった。

ぶれない生徒指導の基準、保護者対応は信頼関係構築がカギ

出席者(Twitterのアカウント)プロフィール

合法先生さん @barbeejill3
公立中学校教員/働き方改革や学校問題などを発信。これまで4000人以上からDMで相談を受けてきた。
真由子さん @mayuko4460
部活顧問を拒否している中学教員。公立中学校の部活動制度のおかしさについて考えるブログも運営している。
のぶさん @talk_Nobu
中学教員から民間企業に転職。学校の理不尽さに苦しむ人を減らし、学校を変えたいという思いから、働き方、いじめについて発信している。

――教師の仕事にどんな魅力を感じていますか。

合法先生 やはり未来を担う子どもたちを育てることですね。生徒の成長を実感するとやりがいを感じます。

真由子 授業をするのが好きなので教材研究をした授業に対する生徒たちの生の反応を感じることができるのもうれしいです。

――のぶさんは教員から民間企業に転職しています。

のぶ 成長した子どもたちが卒業していくのは感動的で、やりがいも感じていました。一方で、やることが多すぎて、このまま学校で働くことに限界を感じていました。とくに一生懸命な先生が心身を病んでいくのを見ているのはつらい。学校を変えたいと思いましたが、それができる管理職になるまで現場にいるより、一度外から教育に関わってみようと考えました。

――教員の多忙さが問題になっていますが、現場でどんな悩みを感じていますか。

真由子 今は生徒が抱える課題が学習障害、朝に起きられない起立性調節障害などに細かく分類され、それぞれに応じた指導が求められるようになっています。よいことなのですが、教員が手厚い指導をするための体制や時間が確保されていません。また、保護者からの理不尽とも思えるクレームが増えています。いじめや暴力などの問題を起こして指導された加害側生徒の親が「学校の指導の仕方が悪い」と言ってきたりします。

合法先生 加害側の保護者からのクレームは、まさにあるあるですよね。私も今となっては、どういうときに保護者がクレームを入れてくるのかがわかりますが、若い先生はそういうわけにもいきません。保護者対応に時間がかかると、ほかの業務を圧迫することにもなるため、未然防止がいちばんの早道です。普段から保護者との信頼関係を大切にすることに加え、日頃から生徒との関わりに手を抜かない。何をしたら怒られるのかをきちんと示していれば、大きなトラブルもなくなり、指導にかかる時間も短くできます。

のぶ 保護者からの理不尽なクレームへの対応は、校長の考えもカギだと考えています。米国の学校では、「ダメなものはダメ」と規律違反への罰則適用を厳格に運用する「ゼロトレランス(寛容度ゼロ)方式」が導入されています。私が勤務した学校でも、暴れる生徒は学校に入れない、登校を認めても教室に入れず、別室で対応するという基準を守って学校を落ち着かせました。賛否があると思いますが、基準があいまいになって対応がぶれないように、管理職が明確な線引きをすることは、ほかの生徒や教員を守るために大切だと思います。

やりたくない部活動指導を断るのは正当な権利

――負担の重い部活動指導は、文部科学省からガイドラインも示され、働き方改革実現の大きなテーマになっています。

のぶ 大会で「上位入賞が当たり前」という強い部活動の顧問をしていたときは、平日は夜遅くまで、週末も遠征や練習試合という生活を送っていました。しかも部活動って生徒の指導だけではないんですよね。大会の運営会議があったり、審判で呼ばれたり。部活動があることで、自分がやりたいことに時間をかけられなかったというのが、転職を決断する1つの理由になりました。

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