NHK次期会長「豪腕・日銀マン」が挑む改革の成否 日銀法改正時には金融政策手段の近代化を主導

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NHKの次期会長に決まった日本銀行元理事の稲葉延雄氏。日銀時代には「エース中のエース」として辣腕を振るった。日銀時代のエピソードを紹介する。

記者会見する稲葉延雄NHK次期会長(写真:時事)
記者会見する稲葉延雄NHK次期会長(写真:時事)

日本銀行の元理事である稲葉延雄氏がNHKの次期会長に決まった。みずほフィナンシャルグループ出身の現会長、前田晃伸氏に続く金融界からの登用となる。

大手銀行トップだった前田氏に比べると稲葉氏は無名に近いが、日銀時代は剛腕のセントラルバンカーだった。また、日銀の独立性に燃える「青年将校」のリーダー格として知られる。1998年の日銀法改正に伴って振るった日銀改革の手腕がNHK改革でも発揮されるのか。

将来の総裁候補として頭角を現す

稲葉氏は1974年(昭和49年)に日銀に入行。この「49年組」は人材豊富な年次で知られ、他年次に比べて輩出した理事の数は多い。その中でも、稲葉氏は早くから「重量級のエース」(複数の日銀OB)として頭角を現した。

各年次にエースは存在するが、数年次分のエースたちは選別されて「エース中のエース」が生まれる。将来の総裁候補と目される系譜であり、稲葉氏がその系譜だったのは言うまでもない。

銀で稲葉氏の活躍が際立ったのは、法的な独立を果たした1998年の改正日銀法の施行前後であろう。日銀は悲願であった法的独立を確実のものとするため、エース中のエースを集めた「ドリームチーム」を結成。その中心メンバーが稲葉氏だった。このチームはまた、日銀改革を推進する青年将校団とも称され、稲葉氏が団長的な存在として金融政策手段の近代化を主導していく。

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