都市での「共生」を目指す、フェミニズムの戦略 フェミニスト・シティ、インテリジェンスなど書評4冊

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ブックレビュー『今週の4冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『フェミニスト・シティ』

・『日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで』

・『さだじいの戦争かるた』

・『ショパン・コンクール見聞録 革命を起こした若きピアニストたち』

『フェミニスト・シティ』レスリー・カーン 著
『フェミニスト・シティ』レスリー・カーン 著/東辻賢治郎 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・神戸大学教授 砂原庸介

男性が都市で働き、女性は郊外の住宅で家庭のケアをする。そのような感覚の下で作られてきた現代の都市は、意識せずとも主要な利用者とされる男性のために設計されてきた。

都市での共生を目指すフェミニズムの戦略

都市には、女性の存在や、女性が担うとされるケアへの配慮が欠けており、女性たちが都市を利用しようとすると、男性が感じないさまざまなコストを払うことを強いられる。それがなおさら彼女たちを都市から遠ざけ、都市が男性のものとなる。女性と男性が同等の機会を有する権利を持ち、同じように都市を利用できるようにするためには、女性の目線で都市を作り直さなければならない。

このような主張が多くの人々に共有され、都市の再構築が急務であるという認識は育ちつつあると思われる。本書もやはり都市を作り直すことを訴えるが、従来の都市を否定して新たなマスタープランを主張するわけではない。著者自身が女性として都市を利用してきた経験も踏まえ、2つの視点を織り込んで都市を考え直そうとする。

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