ムロコーポは地震で一時操業停止の栃木の2工場が点検終え再開準備始まる【震災関連速報】
精密プレスによる自動車部品を製造するムロコーポレーションは16日、東日本大震災直後から操業を止めていた烏山工場(栃木県那須烏山市南)と清原工場(栃木県宇都宮市清原工業団地)の点検を終え、生産再開の準備に入った。
両工場では天井パネルが落下したり、壁にひびが入ったりしたものの、人的な被害はなかった。16日には点検を終え、生産再開の準備を進めている。
大型の600トン精密プレス機は、通常より長い横揺れが続き、コンクリート基礎に打ち込んだアンカーボルトが折れてしまった。ただ幸いなことに、被災当時は別の大型プレス機を設置工事中で、施工業者を復旧工事に転用。16日は早くも点検稼動を開始している。
一方で通常のプレス機には影響が無かったものの、立体倉庫に保存していたプレス用金型1000個が棚から落下。全金型に占める割合は数パーセントとわずかだが、落下の衝撃で金型に狂いがないか精査しなければならないため、作業に手間取る可能性もある。
また、プレス作業には、前工程の加熱と後工程の熱処理が欠かせない。東京電力が進める計画停電次第では、熱処理工程に影響が出る懸念もある。また調達先の鋼材や銅材のメーカーが被災しているのが懸念材料。操業を再開した後に材料の在庫が尽きるような事態となれば、再度操業停止に追い込まれる可能性もあるだけに、最悪の事態を避けるべく対応策も求められそうだ。
(松浦 大 =東洋経済オンライン)
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