資生堂は社長交代を発表したが、プロ経営者として有名な魚谷雅彦社長が代表権を持った会長として続投する。新社長は国内事業の立て直しなどで手腕が問われることになる。
「てっきり辞めるのかと思ったら会長で残るのか。これでは何も変わらない」
資生堂のあるOBは、11月10日の発表を受けてこう語った。
資生堂はこの日の午前中、「新経営体制発表に関する説明会」と題した案内を突然マスコミ各社に送付し、午後1時過ぎから緊急の記者会見を開催すると案内した。
資生堂といえば、日本コカ・コーラの会長などを歴任し、「プロ経営者」として知られる魚谷雅彦氏(68歳)が社長を務める。2014年に外部出身者として初めて資生堂の社長に就任。2019年の取締役会では、2020年から2024年までの5年間の社長再任が決議されていた。
任期途中での経営体制変更となれば、「おっ、社長交代か」と周囲はざわついた。新型コロナウイルスの影響を受け、主力の国内を中心に業績が芳しくなかったことから「ついに魚谷氏も……」と受け止められたわけだ。
魚谷氏はCEO継続で「本質変わらず」
ところが、ふたを開けてみれば、社長の椅子こそ2023年1月に常務の藤原憲太郎氏(55歳)に譲るものの、魚谷氏は代表権を持ったまま会長に就任。CEO(最高経営責任者)も引き続き魚谷氏が務めるという。
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