資生堂、「魚谷体制」7年目の光と影 バブル終焉後に募るガバナンスへの不安

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
2014年4月から資生堂の社長を務める魚谷雅彦氏はこの難局をどう乗り切るのか(撮影:尾形文繁)

特集「揺れる資生堂」の他の記事を読む

「煙たい存在だと思うかもしれないが、強力なガバナンス(企業統治)体制は経営者を守ってくれる。ガバナンスに対する信認があればこそ、リスクを伴った経営判断をしてもステークホルダーは信頼し支持してくれる」

「資生堂の魚谷雅彦社長に今何を伝えたいか」との記者の問いに、早稲田大学名誉教授の上村達男氏はそう述べた。

上村氏は、会社法の専門家で2006~2018年の12年間、資生堂の社外取締役を務めた。元日本コカ・コーラ社長で2014年当時は資生堂のマーケティング統括顧問だった魚谷氏を、社長に推薦した1人でもある。

魚谷社長を推した元社外取締役の憂い

上村氏は何を憂えているのか。魚谷氏に対しては経営者としていいイメージを持ったまま、資生堂の社外取締役を退任した。その後、直接の接点は持っていないが、関係者から伝えられる情報や公表情報から資生堂の動きを見ていると、「最近漏れ聞く魚谷さんはかつてのイメージと違う人のように感じる」という。

次ページ株式市場からの評価
関連記事
トピックボードAD