資生堂、「お荷物ブランド売却後」に待つ茨の道 頼みの中国では欧米ブランドの後塵を拝する

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インバウンド需要が一気に蒸発し、苦境に立たされる資生堂。化粧品の王者は窮地をどう抜け出すのか。

資生堂は、長年の懸案だったお荷物ブランドの売却を発表した(記者撮影)

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化粧品メーカー国内首位の資生堂が、成長軌道に戻れるか否かの分水嶺に立っている。

資生堂は8月26日、アメリカ発祥のメイクアップブランドである「ベアミネラル」「バクサム」「ローラ メルシエ」をアメリカの投資ファンド、アドベント・インターナショナル・コーポレーションに売却すると発表した。

売却額は7億ドル(約770億円)で、2021年中にも売却する予定。今回のブランド売却で、資生堂はようやく「負の遺産」を清算することになる。

累計で900億円超の減損

3ブランドのうち、とくに大きい負の遺産が、自然派ファンデーションブランドであるベアミネラルだ。

アメリカのファンドへの売却が決まった「ベアミネラル」の商品(写真:ベアミネラルの公式サイトより)

資生堂は2010年、19億ドル(当時の為替レートで約1800億円)を投じて自然派ファンデーションのベアミネラルを主力に展開するベアエッセンシャル社を買収した。

海外事業拡大へと弾みをつける算段だったが、売り上げは思うように伸びず、2012年度と2017年度には累計900億円超の減損損失を計上。資生堂にとって、お荷物ブランドとなっていた。

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