「アルコール」が原因で死ぬ人は想像以上に多い 米国では20〜34歳の死因の25%が飲酒がらみ
2015〜2019年に死亡した20〜64歳のアメリカ人のおよそ8人に1人はアルコールの過剰摂取による怪我や疾病が死因だったことが、アメリカ疾病対策センター(CDC)の新たな研究で明らかとなった。
11月1日に医学誌『JAMAネットワーク・オープン』に掲載されたこの研究は、生産年齢人口(現役世代)に対するアルコールの影響を調べたもの。毎年14万人に上るアメリカのアルコール関連死の3分の2近くは現役世代で占められている。
過剰飲酒に関連して死亡する人の割合は、現在ではもっと高くなっている公算が大きいとCDCの研究者らは分析する。新型コロナ禍が始まって以降、アメリカ人の飲酒頻度が上がっていることは各種データによって確認されており、2020年には狭義のアルコール関連死は前年比で25%増加した。
「働き盛り」の大人に大きな影響
アルコールの悪影響は年齢とともに増大していくが、ほかの原因で死ぬことが少ない若い人々では影響は顕著なものになっている。アルコール関連死は20〜49歳で死亡した人の5人に1人に上り、20〜34歳に限定すると4人に1人にもなることが、今回の研究で明らかとなった。
「働き盛りの大人に大きな影響が出ている」。CDCでアルコール対策プログラムを率い、今回の論文を共同執筆したマリッサ・エッサー氏は、現役世代の死因の大きな割合を占める過剰飲酒は、経済の生産性に重大な影響を及ぼしていると指摘する。