「知られざる化粧品の巨人」が日本上陸の真の狙い 韓国発の世界最大ODMが茨城にマザー工場建設
韓国の化粧品ODMであるコスマックスが、日本での事業展開を本格化させる。国内の化粧品業界にどんな影響をもたらすのか。コスマックス日本法人の社長に聞いた。
「国内の化粧品業界の構造が変わるかもしれない」。業界関係者が注目する巨大な黒子企業が、ついに日本へ上陸した。
その企業とは、1992年に韓国で創業した「COSMAX(コスマックス)」。化粧品メーカーから生産を請け負うOEMとODM(設計・製造受託)などを事業の柱とし、韓国だけでなく中国やアメリカに事業領域を広げてきた。
2021年のグループ売上高は2500億円と、化粧品OEM・ODMでは世界最大だ。国内最大手である日本コルマーの2021年度売上高は493億円。コスマックスはその約5倍に相当する。
グローバル展開しているコスマックスは、世界の著名ブランドからの受注が引きも切らない。例えばフランスのロレアル、アメリカのジョンソンエンドジョンソン、韓国のrom&nd(ロムアンド)、日本勢でもマンダムなどの商品を生産している。
強みのスピード開発を支える研究体制
コスマックスは2021年12月、東京都中央区に日本法人を設立。茨城県に敷地面積1.6万平方メートル超の工場を建設中で、2025年以降の稼働を目指している。
コスマックスジャパンの魚在善社長は「どのような設備を入れるかは現在議論をしているが、研究所を併設した(日本の)マザー工場にする。1階と2階をまず稼働させ、3階は今後の需要動向を見て対応できるようにしたい」と明かす。
世界中のブランドがコスマックスを頼る理由は、同社が持つ2つの強みにある。
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