アグロカネショウは主力工場が福島第一原発に近接、早期操業は難しい状況【震災関連速報】

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アグロカネショウは主力工場が福島第一原発に近接、早期操業は難しい状況【震災関連速報】

果樹、野菜向け農薬メーカーのアグロカネショウの主力工場である、福島工場は、当面使用が難しい状況だ。

同工場は、福島県大熊町の海岸沿いにある大熊東工業団地内に位置する。現在、原発トラブルが相次いでいる東京電力の福島第一原子力発電所が、北へ500メートルほどの場所にある。14日の会社側の発表によると東日本大震災では、同工場の敷地内の一部が損壊したが工場施設には大きな損害はなく、従業員への被害もなかった。

しかし、福島第一原発のトラブルによって、11日の夜から避難指示の対象地域(3キロ圏内)に入っており、工場内に立ち入れない状態が続いている。水素爆発など相次ぐ原発トラブルによって放射性物質がどの程度同工場に広がっているか定かではないが、立ち入り制限が長期化する可能性は極めて高く、早期の稼働は難しい状況だ。

代替工場など、今後の同社の生産体制については、「従業員の安全の確保に努めており、今後についてはこれから」(アグロカネショウ)という。業績への影響も見通せない状況だ。

同社は、所沢を研究中心の事業所をすることなどを目的に、2008年に所沢事業所内の生産設備を福島工場に移転、同工場の増設を行っている。新潟・直江津にも工場があるが、製造拠点として大きな役割を担っているこの福島工場の復帰が遅れれば、同社業績にも大きな影響が出ると予想される。

(宇都宮 徹 =東洋経済オンライン)

 

 

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