オリィ研究所共同創設者に聞く新たな社会参画を実現するコミュニケーションテクノロジー 持続可能な未来とDX

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「自分のため」が出発点となり社会に貢献するツール開発へ

挑戦の原点には、「自分のため」という考えがあります。幼少期から科学を得意としていた私は、2006年に高校生科学技術チャレンジ(JSEC)に参加し、アメリカで開催されるインテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)への出場資格を獲得しました。しかし、直前に結核を患い、長期入院を余儀なくされます。身体的な制限により思うように行動できない悔しさや、誰にも会えない寂寥感の中で芽生えたのが、「もう一つ身体がほしい」という思いでした。そこで、当研究所CEO吉藤健太朗とともに、分身ロボットの開発に着手。現在の活動に至っています。

過去の体験を通じて、何事も自分事化して考えることの大切さを実感。ビジネスに対する考え方のルーツになりました。次世代を担う皆さんにも、この姿勢を忘れずに行動してほしいと考えています。

社会課題の解決に向けて見据えるビジョン

昨今、国際社会への浸透が進むSDGs。「誰一人取り残さない」という理念は、私たちの事業に通ずる部分が多く、開発当初よりも「OriHime」が普及してきたと実感しています。

今後は一般企業にも展開し、皆一様に社会に参加できる環境を提供することで、人手不足問題の解消やさらなる経済成長に寄与していきたいです。また、教育へのアプローチも目標の一つ。さまざまな理由で学校へ通えない子どもたちも、孤独を抱えています。すべての子どもが学びの場に参加できるように、教育現場への「OriHime」導入を目指して、学校との連携を図っていきます。

将来的には、人類が何歳になっても役割を持って生き続けられる世界を創出し、健康寿命の延伸に貢献。コミュニケーション支援に留まらない社会変革が、当研究所の最大の使命です。社会の可能性を拡張するため、私たちの挑戦は続きます。

東洋経済ACADEMIC SDGsに取り組む大学特集 Vol.4――「行動の10年」の新たなステージへ 持続可能な社会実現に向け加速する「連帯・連携」

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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