JSRの鹿島工場は操業停止長引くおそれも、千葉工場は操業継続【震災関連速報】
合成ゴムや液晶・半導体関連部材などを手掛ける化学メーカー、JSRは14日、東日本大震災の影響を受けて鹿島工場(茨城県神栖市)が操業停止状態にあると発表した。復旧のメドは立っていない。一方、千葉工場(千葉県市原市)は、大震災前と変わらず操業を続けている。
鹿島工場は、地震を受けて自動停止装置が作動。生産ラインがすべて停止したままという。生産設備や関連施設などの物理的な被害は発生していないもようだが、被害状況を調査している。ただ、工業用水や蒸気の近隣からの供給が止まっており、復旧のメドが立っていない。
鹿島工場では、エチレンプロピレンゴムやブタジエンなどの石油化学製品を生産している。JSRのプラント自体には大きな損傷はないもようだ。
ただ、懸念されるのはJSRが原料の供給を受けている三菱化学の鹿島事業所(茨城県神栖市)が、稼働再開に時間を要する見通しにあることだ。JSRの鹿島工場は、三菱化学の鹿島事業所を軸とする石油化学コンビナートの中にあり、コンビナートに属する20数社の原料は三菱化学が供給している。
しかし、三菱化学の鹿島事業所は東日本巨大地震の影響を受けて操業を停止。稼働再開の見込みが立っていない。三菱化学によれば、桟橋などのインフラに影響を受けており、短期に復旧するのは困難という。JSRの鹿島工場もこれにつれて操業停止が長引く可能性もある。
一方、千葉工場は三井化学の市原工場(千葉県市原市千種海岸)を中核とする石油化学コンビナート内にある。同じ市原市の海岸沿いにあるコスモ石油千葉製油所のガスタンクでは火災が発生。14日朝の時点で鎮火には至っていないものの、これとは立地が離れているため、三井化学のコンビナートに影響は出ていないという。
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
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