フジクラ「社長発案光ケーブル」で欧米開拓の勝算 ロンドン地下鉄で採用された独自技術の強み

✎ 1〜 ✎ 242 ✎ 243 ✎ 244 ✎ 最新
拡大
縮小
岡田直樹(おかだ・なおき)/フジクラ社長。1964年生まれ。千葉大学工学部卒業。1986年藤倉電線(現フジクラ)入社。2008年光ケーブル開発部長、2014年次世代光ケーブル事業推進室長、2020年常務執行役員。2022年4月から現職。(撮影:今井康一)
光ファイバーを主力に車載向けワイヤーハーネスなどケーブルを扱う大手メーカー、フジクラの業績回復が鮮明だ。2020年3月期に過剰投資があだとなり過去最大の赤字を計上したが、改革を敢行。2022年3月には一転して過去最高益にV字回復し、経営体制も刷新した。勢いを持続できるのか、今年4月に就任した岡田直樹社長に聞いた。 


――情報通信事業の売り上げが伸びています。なぜ光ファイバーの需要が今増えているのでしょうか。

コロナ禍で在宅勤務が普及するなど、世界的に社会のデジタル化が進み、情報通信インフラの整備や強化のトリガーとなった。とくに欧米では各国政府が光ファイバー網の整備を主導している。

日本では光ファイバーが各家庭の軒下まで敷設されているホームパス率が99%超に達している。一方で欧米はCATV(ケーブルテレビ)回線で使う同軸ケーブルでデータ通信も賄っており、光ファイバーのホームパス率は35%程度にとどまる。在宅勤務や動画配信サービスの普及で光ファイバーへの需要は増し、拡大余地は大きい。

ロンドン地下鉄で光ケーブルが採用

――実際に欧米市場での実績は出ていますか。

次ページSWRが誕生したのは岡田社長の机の上
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内