フジクラ「社長発案光ケーブル」で欧米開拓の勝算 ロンドン地下鉄で採用された独自技術の強み

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岡田直樹(おかだ・なおき)/フジクラ社長。1964年生まれ。千葉大学工学部卒業。1986年藤倉電線(現フジクラ)入社。2008年光ケーブル開発部長、2014年次世代光ケーブル事業推進室長、2020年常務執行役員。2022年4月から現職。(撮影:今井康一)
光ファイバーを主力に車載向けワイヤーハーネスなどケーブルを扱う大手メーカー、フジクラの業績回復が鮮明だ。2020年3月期に過剰投資があだとなり過去最大の赤字を計上したが、改革を敢行。2022年3月には一転して過去最高益にV字回復し、経営体制も刷新した。勢いを持続できるのか、今年4月に就任した岡田直樹社長に聞いた。 


――情報通信事業の売り上げが伸びています。なぜ光ファイバーの需要が今増えているのでしょうか。

コロナ禍で在宅勤務が普及するなど、世界的に社会のデジタル化が進み、情報通信インフラの整備や強化のトリガーとなった。とくに欧米では各国政府が光ファイバー網の整備を主導している。

日本では光ファイバーが各家庭の軒下まで敷設されているホームパス率が99%超に達している。一方で欧米はCATV(ケーブルテレビ)回線で使う同軸ケーブルでデータ通信も賄っており、光ファイバーのホームパス率は35%程度にとどまる。在宅勤務や動画配信サービスの普及で光ファイバーへの需要は増し、拡大余地は大きい。

ロンドン地下鉄で光ケーブルが採用

――実際に欧米市場での実績は出ていますか。

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