「税別」と「税込み」、販売量が増えるのはどちらか 値段の表示方法の影響を考える「値札の経済学」

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値札をつける店員
(写真:Graphs/PIXTA)

私には不名誉な特技がある。それは誰にも読まれない論文を書くことだ。論文は読んでもらうために書く。読んでもらえない論文は無価値。しかし私が書く論文は読まれない。指導する学生にさえも。

しかし、そんな私でもごくまれに「あなたの論文が引用されました」という(機械的な)メールを受け取る。喜びもつかの間、文面を確認して落胆する。「おめでとうございます、中園善行さんが中園善行さんの論文を引用しました!」。そう、自分の論文で自分の論文を引用したことの通知だったのだ。読まれたのでも引用されたのでもない。私の悲しい特技は、誰にも読まれない、つまり目立たない論文を書くことである。

論文は目立ったほうがいいが、目立つと困るものもある。2020年、それを目立たせるべきか否かについて当事者間で大きく議論が割れた。消費税額表示である。

その前提となるのが、消費税転嫁対策特別措置法(特措法)だ。消費税が5%から8%に引き上げられる半年前、13年10月に施行された同法の目玉は、一定の条件下で、税別価格のみの表示が認められたことである。

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