子育て支援の恩恵は、子育て世帯以外にも及ぶ 質の高い幼児教育が将来の「暴力犯罪」を抑制

✎ 1〜 ✎ 187 ✎ 188 ✎ 189 ✎ 最新
拡大
縮小
遊んでいる保育士と子供
(写真:Fast&Slow/PIXTA)

コロナ禍では保育園の臨時休園が相次いだ。多くの保護者が欠勤を余儀なくされ、保育制度が社会機能の維持に不可欠であることが浮き彫りとなった。すべての子どもたちに質の高い保育・幼児教育を保障することは、国連SDGsに含まれる目標であるとともに、日本が抱える課題でもある。実際、日本には、保育園・幼稚園に通わない「無園児」が約10万人存在する。その多くが発達障害や貧困といった問題に直面し、社会的な支援を必要としている。

子育て支援制度を社会全体で支えるには、納税者の理解が欠かせない。少子化が進む社会で子育て支援制度を拡充していくためには、とくに子どもを持たないことを選択する納税者に対して、政府が子育て支援制度拡充の意義を丁寧に説明することが求められる。

例えば、2019年度に実現した「幼児教育・保育の無償化」にかかる経費は消費税によって賄われており、その負担は主な受益者である子育て世帯以外にも及んでいる。では、子育て支援制度の拡充は、子どもを持たない人にどのような恩恵を与えるのだろうか。

次ページ幼児教育介入が暴力犯罪を抑制した理由は
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内