ライバル・石破茂元防衛相がみた「安倍氏の足跡」 政治家を歴史的に評価するには50年かかる

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ライバルの目に、安倍元首相の政治活動はどう映っていたのか。石破氏は、安倍氏について「突出した個性」があったと振り返る。

安倍晋三元首相のライバルとみられることも多かった石破氏。安倍氏について「突出した個性」があったと振り返る(撮影:尾形文繫)

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安倍晋三氏と自民党総裁の座を2度にわたって争った石破茂・元防衛相。地方創生担当相として、安倍内閣の一員だった経験もある。
そんな石破氏の目に、安倍氏の政治活動はどう映っていたか。安倍氏の軌跡を、自らの師・田中角栄氏と重ね「歴史が評価すること」と言う。その理由は。

──安倍氏の自民党内のライバルとみられることが多かった。安倍氏の政治手腕についてどう評価しますか。

私は田中角栄元首相の最後の弟子に当たるが、政治家の歴史的評価には50年ほどかかるのだろうと思っている。好きだった、嫌いだったなど故人と関係した人がいなくなって初めて、客観的な歴史として評価されるのではないか。

──外交・安全保障分野では、安倍氏の手腕が高く評価されているようです。

それはそのとおりだ。われわれはそれを具体的な成果につなげていかなければならない。

中国との関係改善も課題だ。2006年の首相就任後、初の外遊は中国だったが、その後の日中関係はあまり進展していない。「この日本の地でご家族を抱き締める日がやってくるまで私の使命は終わらない」と決意を示した北朝鮮の拉致問題も前進していない。韓国とは史上最悪といわれる関係に陥ってしまった。ロシアとの北方領土問題も結果には結び付かなかった。

──アメリカとの同盟を強化したという点でも評価されています。

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