西九州新幹線「対面乗換」で解決できない根本問題 円滑、安全な移動目指し武雄温泉駅で模擬訓練

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対面乗り換えは新八代で経験済みとはいえ、もう10年以上前の話だ。はたして武雄温泉駅では円滑な対面乗り換えが可能なのか。若手を中心に対面乗り換えを実際に経験していない社員も多い。そのため、武雄温泉駅で対面乗り換えのシミュレーションを行うことにした。

蒸し暑さが続く7月20日午後2時。武雄温泉駅に到着した新幹線かもめの試運転列車から約300人の男女が列車から降り、ホームの反対側に停車しているリレーかもめに乗り込んだ。乗客役を演じるのはJR九州の社員たちだ。その後、リレーかもめから新幹線への乗り換えも行われた。

リレーかもめには「白いかもめ」として知られる885系が主に使われるが、博多と佐世保を結ぶ特急「みどり」として走る787系や783系がリレーかもめの役割を担うこともある。そのため、885系に続き787系を使ったシミュレーションも行われた。シミュレーションは計4回行われた。

車両数は同じでも長さが違う

座席定員は新幹線かもめが391人、885系リレーかもめが302人なので、ほぼ満席状態でのシミュレーションといえる。移動者の中には、車いす利用者も見られた。一般の乗客が列車から降りた後に下車し、駅員のサポートを受けながら対面乗り換えを行った。

シミュレーションの合間には、JR九州のスタッフたちが各所で打ち合わせをしていた。乗り換えの動線上に支障物がないか。円滑な移動のためにはどんなサイン表示が必要かなどを話し合っているのだ。

新幹線かもめは1〜3号車が指定席、4〜6号車が自由席である。885系リレーかもめは1号車がグリーンと指定席、2〜3号車が指定席、4〜6号車が自由席となっている。指定席と自由席の号車がそろっているため多くの乗客は向かい側にある同じ号車に乗り換えるとみられるが、新幹線と在来線は車両の長さが違う。車両の長さは新幹線の25mに対して、在来線は20m。6両編成なら30mの違いが出る。そのため、端のほうにある車両の乗客は斜めに移動していた。少し動線が乱れたと感じられる部分であった。

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