シンガポール、「中国排除」を逆手に取り漁夫の利 中国からのヒト・モノ・カネを積極的に受け入れ
米中対立が既定路線となり両超大国の経済関係が冷え切る過程で、中国の民間企業にとってはまずシンガポールに拠点を設けるのが海外進出の際の「定石」となってきた。
2020年にはアリババ、テンセント(騰訊)、バイトダンス(動画サービス「TikTok」の運営会社)が相次いでシンガポール・オフィスの拡大や開設に動いた。中国テック企業はシンガポールでデータセンターの設置も積極的に進めている。
特に際立つのはバイトダンスの事業拡大で、公式サイトの求人募集ページには「勤務地・シンガポール」のポジションがずらりと並ぶ。募集件数は400を越え、世界の都市別ではダントツで、全件数のなんと3割に近くに上る。
「脱中国化」を進める中国企業
決済サービスの「アリペイ」を手掛けるアントグループが、あえて大株主アリババの投資先であるECプラットフォーム、Lazadaの社内にオフィスを構えていることなどが好例だが、中国企業は「脱中国化」を進めている。
今や「中国」ではなく、「アジア」の看板のほうがずっと海外で企業活動がしやすいからだ。そのアントグループは2020年末にシンガポールで初となるデジタルホールセール銀行業免許を取得し、今年6月にANEXTバンクを発足させた。
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