10代の心をがっちり掴む、教育系YouTuber「でんがん」の一生使える勉強法 「失敗しても何とかなる」試行錯誤を勧める訳

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そのとき親に言われたのが「お前が将来を考える時間にベットする」という言葉。うちは裕福というわけではなかったので、ドブに捨てることになるかもしれない30万円を親が払ってくれるとは思いませんでした。だから「浪人するなら1秒でも無駄にしてはダメだ」と強く意識したんです。僕の意識が変わったのはあの時ですね。申し訳ないので、後になって父に30万円返しましたが。

──浪人時代の1年間で偏差値が40から70まで伸びたそうですが、どんな勉強をしたんですか。

受験勉強に生かしたのが部活動での経験です。僕は中学・高校と陸上部で、中学の時に駅伝に出合ったのですが、チームでいちばん遅かったんです。そのとき、先生に「何でこの練習をすると思う?」と聞かれたことで、「これはラストスパートを意識する練習なのか」と意識して練習するようになりました。すると、飛躍的にタイムが伸びたんですよ。その経験があったので、「これを受験でもやったらどうか」と考えました。できること、できないことを書き出して課題を明らかにし、具体的に何をどうやればいいのかを「見える化」していましたね。

試行錯誤できるから失敗は怖くない

──勉強もやり方が大事ということですね。でんがんさんは、わからない問題があっても、すぐに答えを見ないで、「なぜわからないのか」試行錯誤することが大切だとおっしゃっています。

例えば「歴史」って、人物とか年号とか膨大な知識を覚えなくてはなりませんよね。暗記しろと言われると結構イヤですが、『ONE PIECE』のキャラクターの名前とかは物語ベースでちょこちょこ出てくるから全部言えちゃうわけです。

歴史上の出来事にも背景がありますよね。数学や理科の公式、定理も一緒で、時間が限られている受験においては暗記も大切だけれど、それだけだとなかなか本質を理解できない。学ぶときに公式の暗記から入る人がいますが、本質はそこじゃないんです。それがどうやって起きたのか、どうしてできたのか、成り立つのかを考えるほうがよっぽど大事。「なぜ?」「なぜわからないのか?」と考えることで、理解が深まります。

こうやって壁を乗り越えるために試行錯誤することって大切ですよね。プロセスを経ると「失敗しても何とかなるやろ」となりますから。僕、失敗を恐れていないんですよ。失敗してもまた試行錯誤すればいい、というのが自信になっているんです。これまで勉強もスポーツもセンスがなかったから、試行錯誤の繰り返しでしたし。数学の才能はあったけど、開花するに至ったのは試行錯誤を受け入れていたからです。

そう考えると、「子どものときにいかに失敗するか」が重要だと思います。それをやっていないと、大人になってから失敗を受け入れられなくてどんどんネガティブになっちゃう。僕は一発目からうまくいくことのほうが珍しかったから、「そんなにうまくいかないでしょ」と思うし、「今の状況を変えるにはどうすればいいか」とポジティブに考えます。

でも、その過程を知らずに失敗をしてしまうと「自分には才能がない」の一点張りになってしまう。あるフィールドでは才能がなくても、ほかの才能はあるはずなのに、全部の才能がないように思ってしまう子が多いですよね。失敗って悪いことじゃないんで、そういう子たちにいかに失敗させるかです。

YouTubeでも僕は、ほかのYouTuberならお蔵入りにするような失敗をあえて見せるようにしています。とくに受験生は結果が大事だと思いがちですが、10代ほどプロセスが大事ですし、失敗を経て「こうすればいい」というものが見えてくるはずです。

──社会に出てからは「正解がないこと」のほうが多いですから、試行錯誤はより重要ですね。

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