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ウクライナ侵攻の帰趨はドネツクの戦闘で決まる ウクライナ軍殲滅がロシア軍の方針

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(写真:2022 Bloomberg Finance LP)

ロシアとウクライナの関係が一層悪化し、双方ともに引き下がることができない状況になりつつある。

(ウクライナの)ゼレンスキー大統領は(4月)16日、複数のウクライナメディアとの懇談で「(ドネツク州のマリウポリ市において)我々の兵士らが全滅させられれば、いかなる交渉も終止符が打たれるだろう」と述べ、ロシア軍が強硬策に出れば停戦交渉を決裂させる考えを示唆した。(4月18日「朝日新聞」朝刊)

ロシアとの交渉拒否を示唆するゼレンスキー氏の発言にロシアも反発し、負の連鎖に入っている。

4月18日のロシア紙「イズヴェスチヤ」電子版(政府系)が、クレムリン(ロシア大統領府)の意向などについてこう解説していた。

協議の進展に関するロシアとウクライナの見解が一致しない理由は何か。ペスコフ報道官は(18日の)会見で「交渉の枠組みの中で専門家レベルの接触は続いている。プーチン大統領が、残念ながらウクライナ側は首尾一貫していないと述べたことを思い出してほしい。合意点がしばしば変化する。もっとましな交渉ができるはずだとの不満が残る」と述べた。

4月16日にゼレンスキーは、マリウポリのウクライナ軍の民族排外主義団体の戦闘員が殲滅(せんめつ)させられるならば、キエフ(キーウ)はモスクワとの交渉をやめると言った。

セルゲイ・オルジョニキーゼ元ロシア外務次官は、ウクライナ大統領のこの発言は非論理的だと指摘した。マリウポリでウクライナの軍人が殲滅されれば(ロシア軍に対して)抵抗する者はいなくなり、交渉の必要もなくなる。元次官は、ゼレンスキーの発言の対象は西側諸国の政府で、ロシアとの和平を欲していないということを示そうという試みだと強調した。

ロシアとの和平を望むまで戦う

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