「日立物流の買収」で投資ファンドKKRを待つ難関 日立製作所のグループ再編は最終章を迎えた
アメリカの投資ファンドKKRが日立物流の買収に名乗りを挙げた。ただ、買収の成功にはいくつかのハードルが存在する。
子会社売却などを進めてきた日立製作所のグループ再編が大詰めを迎える。約40%の株式を保有し、持分法適用会社としている日立物流の行き先が、いよいよ決まりそうだ。
売却先候補の筆頭は、アメリカの投資ファンドのKKRだ。KKRはTOB(株式公開買い付け)を経て、日立物流を非上場化する方針で、投資額は7000億円弱になるとみられる。日立と日立物流の本決算発表に併せて、4月28日にも公表される見通しだ。
日立はリーマンショック直後の2009年3月期に約7800億円の最終赤字を計上。それを機に事業の整理を進め、当時22社あった上場子会社をこの10年で売却してきた。日立物流は2016年、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと資本・業務提携を結んだタイミングで連結子会社ではなくなっていたが、日立の小島啓二社長は同社株を「どんどん手放していく方針」としていた。
買収が決まった後は、KKRが日立物流の企業価値をどう向上させられるかが最大の焦点となる。ただKKRの固有事情がそこに影を落としかねない。カギを握るのが、投資効率を左右する銀行融資の有無だ。
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