2024年度までに150億円を投じ、自社IPを使った複数のメタバースを開発する計画のバンダイナムコHD。”ガンダム責任者”に狙いを聞いた。

公開されたプロモーションビデオではユーザーがアバターで歩き回れるような空間が披露されたが、実際のサービスはまた違った形式になる可能性も(画像:バンダイナムコホールディングス)
3月にバンダイナムコホールディングス(HD)がオンラインで開催した「ガンダムカンファレンス」。ここで注目を集めたのが、初めて詳細が明かされた「ガンダムメタバースプロジェクト」だ。メタバース内には「ガンプラコロニー」「eスポーツコロニー」などの空間を設置し、ガンダムファンが楽しめる場の形成を図る。
バンダイナムコHDは、ガンダム以外にもIP(キャラクターなどの知的財産)ごとにメタバースを開発する計画だ。2024年度までに150億円を投じると発表しており、ガンダムメタバースが最初の一歩となる。今後の展望について、CGO(チーフ・ガンダム・オフィサー)の藤原孝史氏に話を聞いた。
「概念としてのメタバース」を重視
――ガンダムメタバースの構想はいつごろからあったのでしょう。
ここ2年くらい、ファンコミュニティーという観点からそういった場を提供することが今後必要になるよね、という議論はあった。
そんな折、1年くらい前からメタバースという言葉が台頭してきて、「われわれの考えているファンコミュニティーは世にいうメタバースに近いよね」となり、メタバースと呼ぶようになったというのが正しい経緯だ。
そもそもメタバースとは何か。世間一般の共通認識は、自分のアバター(分身となるキャラクター)で移住できるような仮想空間なのかなと思う。ただ、ガンダムメタバースを含むわれわれのメタバースもその定義かというと、必ずしもそうではない。
メタバースはあくまで手段であって、実現したい目的はファンコミュニティーの活性化だ。
――今回発表したプロモーションビデオでは、ファンがアバターになって歩き回れるような世界観を打ち出していますが、そういうサービスをつくることは必ずしも最優先事項ではないと。
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