51歳の常務を社長に抜擢--資生堂社長に「参謀役」末川久幸氏が就任
2011年4月1日付けで、資生堂の新社長に末川久幸取締役執行役員常務が就任し、現在の前田新造社長は代表権のある会長に退く。末川氏は51歳(就任時は52歳)。前田氏の64歳から一気に12歳も若返る。
今年は前田氏が社長就任時から表明してきた「長くて6年」の期限を迎えると同時に、4月からは11~13年度の新・中期経営計画が始動する。末川新社長に苦戦が続く国内事業のテコ入れと海外進出の一段強化という資生堂の今後が託された。
前田社長は「スピード、行動力が求められる環境で、気力、体力が充実している若さは有利」と、末川氏の年齢に期待を示す。末川氏は役員の中で外国人のフィッシャー専務を除いてもっとも若いが、順位は5番目。前田氏と同じ経営企画畑出身で、次期社長候補の一人として有望視されてきた。
就任について「社長に推薦すると言われたときは、頭の中が真っ白になった。私のような若輩者がつとまるか複雑な心境だったが、覚悟を決めてお受けした。」と心情を語っている。
国内化粧品事業への造詣が深い
末川氏の祖父は資生堂の専務を経験。父母、妻も資生堂出身と関係は深い。歴代社長の福原義春氏と前田氏が慶應義塾大学出身と慶応卒が多いように見えるが、末川氏は国際商科大学(現・東京国際大学)卒。
大学卒業後の1982年、資生堂に入社し、化粧品専門店の営業で地方勤務をした後、本社での営業担当の研修や化粧品事業の戦略立案などを経験。その後、前田氏が当時部長を務めていた経営企画部に入った。海外経験はないものの、国内化粧品事業への造詣が深い。