サムシンググレートが美しい数の調和にした?--『自然現象はなぜ数式で 記述できるのか』を書いた志村史夫氏(静岡理工科大学教授、米ノースカロライナ州立大学教授)に聞く

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 さらに、理論物理学者の中には「神(サムシンググレート)の助けを借りずに、純粋に人間の物理学だけで宇宙の創生を説明したい」と願う人々がいるが、人類が誕生するよりはるか以前に宇宙は誕生しているだけに、そういう結論にはとうていたどり着かない。

この宇宙自体、原初よりカオスではなく潜在的な秩序をもって構成されていると考えざるをえない。

──サムシンググレートとは?

宇宙には、人智がとても及ばない偉大な力、何だかよくわからないが人智を超えた偉大な力が働いていると思わざるをえない。その偉大な力、それがサムシンググレートで、それがまた、自然、宇宙を秩序立てて創生したと考える。

今、その存在を証明することも、その実体を明らかにすることも不可能だから、これは哲学あるいは宗教の範疇に入るのかもしれないが。

(聞き手:塚田紀史 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年1月29日号)

しむら・ふみお
1948年生まれ。名古屋工業大学大学院修士課程修了(無機材料工学)。名古屋大学工学博士(応用物理)。日本とアメリカで長らく半導体結晶の研究に従事。現在は哲学、古代技術、動植物の知恵、物理の基礎に研究対象を広げている。著書は物理学分野の専門書のほか、一般向けなど含め50冊を超える。

『自然現象はなぜ数式で記述できるのか』
PHPサイエンス・ワールド新書 840円 182ページ

  

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