いまだ終わりが見えないゴーン事件。衝撃が走った2018年11月の逮捕から何があったのかを振り返ります。下記は2020年1月9日に配信した記事の再録です。
「国外に逃亡したのは、我が国の裁判所による審判に服することを嫌い、刑罰を逃れようとしたに過ぎず、正当化される余地はない」
報道各社から報じられた検察庁による異例のコメントからは、激情に駆られた司法当局の心境がにじみ出ている。
逃亡劇の最大の疑問
2018年11月に東京地検特捜部に金融商品取引法違反の容疑で逮捕され、海外渡航の禁止条件付きで保釈中だった日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告。ゴーン被告が日本時間の2019年12月31日、アメリカの広報担当者を経由して「レバノン逃亡宣言」を発表してから1週間が過ぎた。
ゴーン被告はフランスのパスポートを2通所持しており、うち1通を携帯していたと報じられている。日本とレバノンの間では犯罪人引き渡し条約が結ばれておらず、刑事訴追中の被告人が入国・滞在することが可能だ。
しかし、ゴーン被告の逃亡劇における最大の疑問は、日本からの出国過程にある。
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