「脳関門」突破する独自技術で難病の新薬開発。武田と提携して海外展開へ。
中堅のバイオ医薬品メーカー、JCRファーマが成長軌道に乗り始めた。腎性貧血薬のジェネリック品や既存の成長ホルモン剤などを軸に緩やかに成長してきたが、独自技術で開発した新薬を2021年に販売開始。その技術によって、さらなる新薬候補群も花開きつつあり、「第2の創業期といえる状態」(芦田信社長)にある。
足元の業績は絶好調だ。今22年3月期第3四半期決算は売上高402億7000万円(前年同期比107.3%増)、営業利益183億5600万円(同4.6倍)と大幅な増収増益で着地。今期通期では売上高520億円(前期比72.8%増)、営業利益217億円(同2.6倍)を見込むが、達成は堅そうだ。
JCRの営業利益はこの数年間、20億~40億円台で推移してきた。それが今期、200億円台まで膨らむのは、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの原液製造を受託した影響が大きい。JCRは20年8月、アストラゼネカが開発したワクチンの国内製造を受託。今期はその供給契約による売上高が147億円計上された。
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