テスラの成功は「パナソニックとトヨタのおかげ」 イーロン・マスク氏が8年前に語っていたこと

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「消費者が買いたがるような魅力的なEVを作り、大手メーカーにもっとEVに注力するようシフトさせる」――。かつてイーロン・マスクCEOはそう語っていた。

2014年のインタビューでEVビジネスの展開について「ジャングルの中で道を切り開くようなものだ」と語っていたイーロン・マスクCEO。

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テスラの高級スポーツセダン「モデルS」の納車が日本で始まった2014年、東洋経済は来日したイーロン・マスクCEOにインタビューを行った。
当時は生産拡大に向けて巨大電池工場「ギガファクトリー」の建設に約5000億円を投じると発表したばかり。今や年間100万台を売る勢いだが、「3万5000台しか販売しない会社」(マスクCEO)だった。
EVのビジネスを通して何を目指しているのか、なぜ赤字覚悟で設備投資を拡大するのかなどについて、興味深い発言がいくつもある。
(インタビューは2014年9月に配信した記事の再録です)

 

――テスラのCEOとして、2006年に「シークレット・マスタープラン」という事業計画をブログで公開しています。まず高級車を販売して資金を得ることで、より安価な車を量産してEVの普及を図るというものでした。当初の見通しと比べて現在の進捗をどう評価していますか?

とてもいい進捗だと思う。今は(3段階中の)第2段階といったところ。ただ、(リーマンショックという)大不況が自動車産業に打撃を与えたうえ、ミスを起こしたこともあって計画通りに進まなかったのも事実だ。当初から目標として描いていた、より小型で大衆向けの車、「モデル3」を3年以内には出せると考えている。

――「モデル3」を造るために、リチウムイオン電池を大量生産する巨大工場「ギガファクトリー」の計画を2014年2月に発表しました。初めから「ギガファクトリー」のアイデアはあったのですか。

いや、考えてはいなかった。

われわれがギガファクトリーを建設するのは、それ以外に大衆車を生産するための術が見えなかったからだ。

リチウムイオン電池のグローバルでの生産能力はまだ小さすぎる。生産コストも高すぎる。それに、ほかのどのメーカーも巨大な工場に投資したがらない。そこでわれわれがリスクを取ることにした。

現在は大事な戦略パートナーであるパナソニックと共同で計画を進めている。一方で理解してほしいのは、ギガファクトリーを建てた後も日本の工場からの電池供給は受け続ける。(販売台数が)増える分をギガファクトリーで生産するのであって、日本から生産を移管するのではない。

助けがなければ成功はなかった

――パナソニックを電池のサプライヤーとして選んだ理由は。

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