「消費者が買いたがるような魅力的なEVを作り、大手メーカーにもっとEVに注力するようシフトさせる」――。かつてイーロン・マスクCEOはそう語っていた。
――テスラのCEOとして、2006年に「シークレット・マスタープラン」という事業計画をブログで公開しています。まず高級車を販売して資金を得ることで、より安価な車を量産してEVの普及を図るというものでした。当初の見通しと比べて現在の進捗をどう評価していますか?
とてもいい進捗だと思う。今は(3段階中の)第2段階といったところ。ただ、(リーマンショックという)大不況が自動車産業に打撃を与えたうえ、ミスを起こしたこともあって計画通りに進まなかったのも事実だ。当初から目標として描いていた、より小型で大衆向けの車、「モデル3」を3年以内には出せると考えている。
――「モデル3」を造るために、リチウムイオン電池を大量生産する巨大工場「ギガファクトリー」の計画を2014年2月に発表しました。初めから「ギガファクトリー」のアイデアはあったのですか。
いや、考えてはいなかった。
われわれがギガファクトリーを建設するのは、それ以外に大衆車を生産するための術が見えなかったからだ。
リチウムイオン電池のグローバルでの生産能力はまだ小さすぎる。生産コストも高すぎる。それに、ほかのどのメーカーも巨大な工場に投資したがらない。そこでわれわれがリスクを取ることにした。
現在は大事な戦略パートナーであるパナソニックと共同で計画を進めている。一方で理解してほしいのは、ギガファクトリーを建てた後も日本の工場からの電池供給は受け続ける。(販売台数が)増える分をギガファクトリーで生産するのであって、日本から生産を移管するのではない。
助けがなければ成功はなかった
――パナソニックを電池のサプライヤーとして選んだ理由は。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら