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フランスの仲介外交とウクライナ情勢を攪乱するトルコ ウクライナによる「ミンスク合意」順守と米国の保証が解決策だ

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ウクライナ情勢の緊張が続いている。2月初旬、クレムリン(ロシア大統領府)筋の分析メモが届いた。それによると基本データは次のとおりだ。〈①ウクライナ国境近くのロシア兵は11万人。②ベラルーシ国内でウクライナ国境近くのロシア兵は3万人。③親ロシア派が実効支配するドネツク人民共和国とルガンスク(ウクライナ語ではルハンスク)人民共和国の自衛軍は6万人。④ドンバスの前線(420キロメートル)に配備されているウクライナ兵は12万人。⑤ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国にいる、ロシアの国内パスポート(ロシアでは14歳以上のロシア国籍保持者に国内パスポートが発給される)を所有する市民は652万人(両国の人口の3分の1)〉。

分析メモではロシアのプーチン大統領の立場についてこう説明する。〈①ウクライナから攻撃があった場合、あらゆる手段を用いてドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を守る(これには2つの選択肢がある。1つはロシア軍が両人民共和国の実効支配領域に入る。もう1つはロシア領域からウクライナ軍事拠点への攻撃。例えば、カスピ海からの巡航ミサイルによる攻撃)。②最後まで外交的解決を模索する。だがいつまでも待つことはできない。③両人民共和国の実効支配をウクライナとNATO(北大西洋条約機構)諸国が認めることだけが解決策になるが、その可能性はなく、2月には米英NATOによるウクライナ軍増強がさらに進行する。④解決のための重要なパートナーは米国だが、“予防的制裁”が採られれば合意の可能性は消える〉。

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