コロナ禍と脱炭素は重工メーカーを危機に直面させた。利益の柱だった航空機部門は大赤字になり、発電部門は化石燃料に代わるエネルギー源へのシフトを要求されている。川崎重工業はいち早く水素への注力を表明、矢継ぎ早に手を打つ。橋本康彦社長に胸の内を聞いた。
水素関連事業 2030年売り上げ規模
ガスタービンでの混焼といった水素利用が始まり、運搬などのサプライチェーンが構築されれば、さらに規模は拡大する。
──グループビジョンで水素への注力を打ち出しました。
われわれには2つの役割がある。1つは今の事業を進化させ、きちんと品質を上げて利益を出すこと。もう1つは新しいことにチャレンジして、今はまだ存在しない領域のビジネスを立ち上げることだ。それが水素だ。川崎重工は歴史的に水素に関する蓄積がある。これからは、航空宇宙や鉄道車両など、すべての事業が水素に関わるようになる。
──水素関連の事業規模を2030年に3000億円、50年に2兆円と見積もっています。
液化水素の運搬船や受け入れ基地、関連部品の市場は、12兆円か、それよりもっと大きくなると考えている。ただ、例えば運搬船が80隻必要だったとして、われわれの能力ではそれをすべて造ることはできない。だから、造るのが難しいタンクの製造などコア技術に注力し、それをライセンスとして提供するビジネスをしたい。
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