ソニー、EV参入の真意 スマホの次はモビリティー
試作車の初公開から2年。新会社を設立し、販売を本格的に検討する。
市場の変革者となりうるか。
米国・ラスベガスで開催された世界最大のテクノロジー見本市「CES 2022」で1月4日(現地時間)、ソニーグループの吉田憲一郎社長は「ソニーのEV(電気自動車)の市場投入を本格的に検討する」と宣言した。
2020年のCESでソニーが開発したEV「VISION-S(ビジョンエス)」の試作車を公開してから丸2年。当初は「量産の予定はない」と慎重な姿勢だったが、方針を転換。公道での走行実験や協力会社との議論などを通じて知見と自信を深めてきた。2年前に披露したスポーツカータイプのセダンに加え、今回はSUV(スポーツ用多目的車)タイプの試作品「VISION-S 02」を初披露した。
販売を模索するにあたって今春、新会社「ソニーモビリティ」を設立する。これまでビジョンエスの開発を担ってきたAIロボティクスビジネスグループを発展的に解消する。同グループはこれまで犬型ロボット「aibo」や空撮用ドローン「Airpeak」を開発してきた。いずれもAI(人工知能)を頭脳、ロボティクスを身体として自律的に動く。ビジョンエスもその延長線上にある。
開発の指揮を執る川西泉常務は21年6月のインタビューで、「aiboは自律歩行、ドローンは自律飛行、車は自動運転。周囲を認識、理解して自身の動きを考えるサイクルは共通している」と話していた。
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