日本企業に特有のメンバーシップ型雇用を続ける素材メーカー大手の東レ。「ジョブ型よりも会社は成長できる」という同社の日覺昭廣社長に聞いた。
ジョブ型という言葉が独り歩き
――日本でもメンバーシップ型雇用を見直し、ジョブ型に近い雇用制度を導入する動きが広がってきました。どうみていますか。
ジョブ型という言葉だけが独り歩きしてメンバーシップ型と比較されているが、本来は二律背反するものではないはずだ。
ジョブ型雇用では専門性とスキルさえあればいい。手っ取り早く、中途採用で外から人材を連れてきてもいい。われわれもそうだが、メンバーシップ型が中心の企業でも、職種や場合によってはそのようにしている。いわばジョブ型とのハイブリッドだ。
企業の成熟度によっても判断は違ってくる。新興企業では社員を一から教育しているようでは話にならないので、職務への適性を持つ人材を外部から集めるのが普通だ。
しかし、10年、15年経ってきてある程度成長してくると、新卒できちんと採用し、社内で人材を育成することが重要になってくる。会社でさまざまな経験を積んで、いろいろなことを理解し、専門的な知識を持った人がほしくなる。つまり、(ジョブ型とメンバーシップ型の)どちらを採るのかは企業の背景によっても変わってくるだろう。
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