ジョブ型の名付け親に聞く「欧米流雇用」の真実 労働研究の第一人者・濱口桂一郎氏に聞いた

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現在、日本企業の間で導入の動きがあるジョブ型雇用は欧米の仕組みとは大きく異なる。ジョブ型雇用の名付け親である労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎氏にその背景などを聞いた。

欧米のジョブ型雇用は合理的だが、大きな欠陥もあるという(撮影:今井康一)

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「ジョブ型雇用」と「メンバーシップ型雇用」の名付け親である労働研究者で労働政策研究・研修機構労働政策研究所長の濱口桂一郎氏は、欧米のジョブ型雇用は合理的だが大きな欠陥もあると話す。ジョブ型雇用の実態について、濱口氏に聞いた。

欧米では初めに「ジョブ」がある

――日本でもジョブ型雇用を導入したという企業が増えてきました。

十数年前に私が使い始めたジョブ型という言葉を、日本企業では実際は違う意味で使っている。(ネーミングの)知的財産権を主張するような話ではないが、何とも微妙な気持ちだ。

私が分類したのは雇用システムの話であって、(評価等を含む)人事制度の話ではなく、ましてや賃金制度の話でもない。けれども今、日本企業の多くがやろうとしているのは人事制度の話だ。場合によっては人事制度の全体像すら変えないまま、単に賃金制度だけを変えようとし、そこにジョブ型という名前を使っているだけに見える。

中身は欧米などで一般的なジョブ型とは違うので、その言葉を使うのならせめて「日本流」とか、「日本的」という冠をかぶせてもらわないと誤解を招く。

――欧米のジョブ型と、大半の日本企業がジョブ型と称している仕組みの違いを教えてください。

私が欧米で一般的な雇用制度をジョブ型と名付けたのは、初めにジョブ(職務)があるからだ。欧米では、企業は人の集まりではなく、ジョブの集まりであると考える。さまざまなジョブの椅子が並んでいるのが企業で、その椅子に座るのにふさわしい人をそこにあてはめるのが採用だ。これがジョブ型のイロハのイだ。

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