三菱ケミカル、日本的人事と決別宣言した背景 社員の責任と役割を明確化、若手も昇進可能に

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総合化学大手の三菱ケミカルが大胆な人事改革を進めている。日本的な職能等級制度を廃止し、若手でも成果次第で大きく昇進することが可能になった。その狙いは何か。

総合化学大手の三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱ケミカルが、ジョブ型に近い人事制度を導入した(記者撮影)

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年功序列にとらわれない「ごぼう抜き人事」で大抜擢――。

日本では、社長人事など経営幹部層の間ではよくある話でも、一般社員の間で起こることはこれまでほとんどなかった。それが、国内最大手の総合化学メーカー・三菱ケミカルホールディングスの中核会社の三菱ケミカルで、現実的な話になった。2021年の春、ジョブ型に近い新たな人事制度を導入したからだ。

「すでに飛び級のような例もいくつか出てきている。従来よりも、若い世代の登用が進んでいる。本人にスキルさえあれば、年齢関係なしにやりたい仕事に就けるようになってきている」

アメリカの製薬大手ファイザーの日本法人を経て2018年3月に招聘され、三菱ケミカルで大胆な人事制度改革を進める人事戦略担当の取締役、中田るみ子氏はこう語る。

年功序列賃金を廃止

三菱ケミカルのこれまでの人事制度は管理職と一般社員とで大きな違いがあった。

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