半導体検査装置が車載分野で成長。回路設計はアナログ技術者層の厚みが武器。
──設立は1975年です。
志貴野メッキの材料の購入・販売を行う子会社として設立された。親会社の半導体検査用基板の設計・製作を88年に引き継いだのが現在の電子システム事業だ。2006年には小野測器から半導体検査装置事業を譲受している。マイクロエレクトロニクス事業は88年にIC(集積回路)のレイアウト設計業務を開始、04年にカネボウ(現クラシエホールディングス)から電子関連事業を譲受した。製品開発事業は04年のカメラ開発からスタートした。
──3つの事業のうち、電子システム事業が売上高の4割近くを占めます。
半導体部品の検査で使われるバーンイン装置・バーンインボードの開発・製造を行う。車載向け半導体バーンイン装置では国内トップシェアだ。保守・メンテナンスにも力を入れており、他社とは差別化している。
車載向け半導体は、すべての製品について耐久性試験(バーンインテスト)を行う「全数検査」をする。家電やスマートフォンなどに使われる半導体は、不良品率の低下やコスト抑制などの影響で抜き取り検査すら行われなくなってきたが、飛行機や自動車は半導体の不具合が人命の危機に直結するため、今でも全数検査が行われる。自動車1台当たりに使用される半導体は約300個だが、運転支援や安全機能の追加などで近い将来2000個に増えると予想されている。半導体製造設備と同様に、顧客はバーンイン装置向けに大きく投資し、品種の増加などの市場動向次第ではボードを追加する形になる。ボードは(プリンターのインクのような)消耗品に近い感覚になるだろう。
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