突然の政府禁止令により、幻のように消えてしまった中国秘境の「ビットコイン採掘場」。その現場に潜入取材を試みた。
ビットコイン相場は上り調子にあり、多額の資金がマイニング業界に投入された。そのため、マイニングマシンの量もどんどんと増え、電力需要も次第に大きくなった。
ケンブリッジ大学の推計によれば、2021年5月10日までに全世界でマイニングのために消費された年間電力量は約149.37テラワット時であり、マレーシアやウクライナ、スウェーデンなどの国の電力消費量を上回っている。
驚くほどの電力消費量に対して、中国の中央政府が提唱する「カーボンニュートラル」の国家戦略(編集注:中国は2060年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすると宣言)は明らかに相反するものとなった。2021年3月1日、内モンゴル自治区の発展改革委員会は、仮想通貨マイニングプロジェクトを全面的に停止し、4月末までにすべての事業を終了すると言及したのだ。その後、青海や新疆、雲南なども同様の方針を発表した。
相次いでビットコイン採掘事業の停止が叫ばれている最中、業界でも認められているビットコインマイニングのボス、劉偉民は「何とかこの災難を乗り切ることができるだろう」と考えていた。
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