一攫千金をもくろむビットコインの「鉱山主」たちが、辺境の地に生み出した想像を絶する「奇観」。中国政府のマイニング禁止で消えた幻を追う。
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2021年5月3日、四川省黒水県のビットコイン鉱山に、新疆ウイグル自治区から運ばれてきた採掘機(マイニング専用コンピューター)を搬入する地元のチベット族女性(撮影:財新記者 丁剛)
まずは上の写真をご覧いただきたい。
2021年5月、中国四川省西部の険しい山間部で撮影された、チベット族の女性労働者のポートレ-トだ。
彼女が手にしている花束のようなものは、実は仮想通貨のビットコインの「採掘機」に接続される電源ケーブルである。
この写真は、最先端のデジタル技術の申し子であるビットコインと、経済発展から取り残された辺境の貧困地区の意外な関係を象徴する1枚として、中国のネット上で大きな反響を呼んだ。
撮影者は中国の調査報道メディア「財新」の記者、丁剛(ディン・ガン)氏。彼がカメラに収めた"ビットコイン鉱山"の知られざる素顔を見ていただこう。
(ログインすると“ビットコイン鉱山”十数枚の写真が見られます)
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2021年3月、財新の取材班が最初に訪れたのは新疆ウイグル自治区の砂漠地帯にあるビットコイン鉱山だった。具体的な場所は伏せられているが、炭鉱に併設された火力発電所や変電所の近くに建設されることが多いという(撮影:財新記者 丁剛 ※以下の写真もすべて丁剛氏の撮影)
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