株式上場を検討しているJR貨物。上場に際して、最大のネックになるのがJR東日本などに支払う線路使用料だ。JR貨物はどのような負担が適正だと考えているのだろうか。
「貨物は従」でないと存立の基盤を失う
――コロナ禍を経て、JR旅客各社は厳しい業績を強いられました。旅客会社の関係者の間では、JR貨物の線路使用料に対して見直しを求める声が根強いです。
(線路使用料の費用負担ルールは)基本のインフラに関する費用はJR旅客が負担して、貨物列車の走行によって追加的に生じる修繕費を貨物会社が支払うということだ。
アボイダブルコストルール(アボルール)は、JR旅客各社からJR貨物への内部補助に近いという人がいるかもしれない。しかし、学説と欧米の実例を踏まえて、国鉄改革で各社の経営が成り立つように(インフラのコスト負担に関する)制度をつくったことを忘れてはならない。
現在の日本においては、(レールを使った)主たる生産物は旅客列車であり、貨物列車は従。この考え方が底流にないと、われわれ貨物会社は存立の基盤を失うことになる。
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