フィンテック企業「アント」の成長にブレーキ。当局はプラットフォーマーへの規制に乗り出している。
アリババグループ傘下のフィンテック企業であるアントグループが、昨年11月、香港と上海の取引所での新規上場を突然取りやめたことは世界に衝撃を与えた。上場すれば世界最大の調達額となる見込みだった。
その後、今年4月のアリババ本体への独占禁止法違反の罰金処分、7月の配車アプリDiDiの違法な個人情報収集によるダウンロード停止措置など、中国当局によるネット企業への締めつけが強化されている。
これらに共通するのは、ネット企業が独占的地位を背景に競争阻害行為や個人情報の不正取得をすることに対しての、当局の厳しい姿勢である。米国でも議会でGAFAへの規制強化が議論されており、やり方はともかく本質は似ている面が多い。アントが注目されるのは、プラットフォーマーの金融業務進出で世界最先端を行く中国において、金融規制とフィンテック発展の両立が問われる試金石になる点である。
アントは、10億人が利用する小口決済サービス「アリペイ(支付宝)」を起点に、融資、保険、資産運用など幅広く金融業務を展開し急成長してきた。スマートフォンを使ったアリペイのQRコード決済は、中国のキャッシュレス決済を一気に広めた立役者である。
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