NEC新社長がもくろむ「5G世界戦略」の全貌 野心的な5年計画のカギは「5G」と「DX」
森田新社長が将来の可能性に期待を込める通信事業。高速通信規格「5G」の通信インフラを国内だけでなく海外にも展開する狙いとは。
参入障壁はますます下がる
――これまで世界の通信機器市場はスウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキア、中国ファーウェイという3社の寡占状態が長く続いていました。
「オープンRAN(O-RAN)」の広がりは大きい。通信機器の市場は競争がものすごく少なくなってきており、通信キャリア各社はそれを心配していた。とくにファーウェイは価格攻勢が強く、既存の設備を新しいものに無償で交換する提案もしており、われわれは競争の場に立てなかった。だが安全保障の議論の中で、国によっては(ファーウェイなど)中国の製品が選択肢になりにくくなった。
通信インフラの上から下まで特定のベンダーがブラックボックス化するのは気持ち悪いと思う人もいる。そこでO-RANの動きが広がり、機器同士のインターフェース(接続規格)の標準化が進んだ。アンテナの背後にある無線制御装置は(これまでは専用機だったが、汎用サーバーで動く)ソフトウェア化が進んでいる。参入障壁はますます下がる。
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